店舗や会社の空調工事 ~「換気」の基礎知識~

2019/06/20

会社や店舗などで空調設備工事をするときのポイントは
住居用とすこし異なります。

 

室内の空気を快適に保つことは同じですが、
建物の使い方や規模によって施工がかわるので、
ぜひ知っていただきたいポイントです。

 

商業用建物の大きな特徴は、


① 人の出入りが住居用建物のよりも多いこと
② 間仕切りが少なく、比較的に空間が広いこと


この2つが挙げられます。

人の出入りが多ければ多いほど、
室内の空気が外に流れてしまいますし、
人数が多ければ多いほど、室内の温度は上がりますので
いかに室内の空気を快適な状態でキープするかがポイントです。

 

そして、空気を循環させるための換気設備も必要です。

 

今回は、空調設備のお話の前に、換気設備についてみていくことにしましょう。

 

換気とは


① 給気・・・室内に入ってくる空気
② 排気・・・室外へ追い出す空気


このふたつがバランスよく機能して
快適な室内の空気を保てるようにすることが目的です。
特に飲食店では、欠かせない設備といえるでしょう。

 

住居用の換気方法といえば
換気扇をまわしたり、窓を開けたりしますね。

 

いっぽう店舗用では、換気扇だけだと足りない場合や、
窓を開けられない場合も踏まえなければなりません。
こういったときには、次のような換気方式を導入します。

 

① 第一種換気方式・・・排気と給気の両方を機械式のファンでおこなう方式。
② 第二種換気方式・・・機械式のファンで給気し、排気口から自然に排気する方式
③ 第三種換気方式・・・機械式のファンで排気し、給気口から自然に給気する方式


第一種換気方式は、このなかで最もバランスよく換気できるシステムです。ただし、給気と換気の両方で機械式のファンを動かすため、電気代コストは一番かかります。


第二種換気方式は、おもに手術室や無菌室などに採用される方式で、第三種換気方式は、古い飲食店で多く採用されてきた換気システムです。

 

飲食店の厨房では、排気がスムーズにいかないときは、
厨房内の油分がとどまって汚れとなり
掃除が困難になったり、つるつると滑って危険を伴います。

 

適切な換気は建物の状態や、従業員の働きやすさにも影響しますので、
空調設備とおなじように慎重に検討したい設備です。